ずいぶん、ちっこいね。
親鳥とはぐれたのかな?
「こいつ生きてるのか?」
「わ〜、タケルちゃんが触っちゃだめ!」
「うるせぇぞ、純夏」
「……うん、やめといた方がいいね」
「なんで?」
「素人だから」
「なら彩峰は手練れだっていうのか?」
「……そうなの?」
「聞いたのはこっちだ!」
「…………」
「なんとか言え」
「……なんとか」
「あほか!」
「あほって言うほうがあほ」
「……なんか今ちょっとだけ委員長の気持ちがわかったぞ。彩峰」
それは残念。
組織の犬と同調するなんて……哀れだね。
「言うこと意味不明だし、なんなんだよ、それはさ。ちゃんと質問に答えやがれ!」
「白銀…………ウザい」
「んだと〜!!」
何か包むものがあったほうがいいね。
「……布持ってない?」
「話そらすな!!」
「……ほら、ラップしかないから」
ラップでくるむと、なんか食べ物っぽいから。
「仕方ない、脱いで」
「なんでだよ、おまえが脱げ」
「きゃ、恥ずかしい」
「すこしは感情込めろ」
「うわっ、タケルちゃん、最低〜〜〜。信じられな〜〜〜い。変態だ〜〜〜〜〜ッ!!」
「だ〜、うるせ〜! さっさと純夏がハンカチ出せばいいだろうが!!」
「あ、うん…………あ、これ、タケルちゃんにもらったやつだ。ほらほら、クリスマスのやつ、
覚えてる?」
「忘れたよ」
「ぶ〜ぶ〜、ひど〜い」
ふ〜ん、これを白銀がね……。
意外にまめなヤツ……。
「……へぇ〜」
「んなことより、鳥が先だろ」
そうだったね。
「はい、ハンカチ」
「……鑑、使える。白銀は……」
いけない。
気の毒な人にハッキリ言っちゃ……いけない。
――なでなで
「なんで頭を撫でる?」
「……よしよし」
頭は空っぽそうだね。
かわいそう。
「こら、なんで哀れみの目で見てんだよ」
「……え? 見てない見てない」
「見てんだろ!!」
今は鳥が先。
ちょっと衰弱してる感じ。
まだ、自分でエサ取れないんだ、きっと。
けど、ちゃんとあったかいんだね。ちっちゃくても……。
…………置いて行かれちゃったんだ。