「…………よし…と」
この日誌を職員室に届けて今日は帰る。
午後から降りはじめた雨のせいで部活は中止だから。
日直に部活がかち合うと結構慌しい。
だから、今日も朝練前にやること、全部ひとりで済ませた。
もうひとり日直はいるけど、私が朝練で早すぎるから仕方ない。
日直の日でも、放課後はいつもは部活。だから、雨の日、朝夕の仕事はなるべくひとりで
やるようにしている。
私はこのクラスの委員長だし。
それに、部活で迷惑をかけるのも嫌だ。
あれこれ指示してうるさがられるより、ひとりでやった方が早くていい。
規則を守らない人が大嫌いなのに。
規則を効率良く守るために、規則外の方法を取っている……私。
みんながもう少し普通に規則を守ってくれれば、こんな事をしなくても済むのに……。
今日はもう帰ろう。日誌、届けないと……。
「…………あっ」
そうだ…………あのぬいぐるみ。
今朝、校門前で拾ったの忘れてた。
捨てようと思って拾ったけど、そのまま朝練に出て忘れてた。
薄汚れた、お世辞にもかわいいとはいえないぬいぐるみ。
何の生き物かさえわからない。
馬のようでもあり、鳥のようでもあり……。
「あなたって……いったい何なの?」
この辺に住んでる子が忘れていったのかもね。それとも…………。
「捨てられちゃったのかな? かわいそうにね」
……見れば見るほど、変な生き物。
顔もいびつで、それがさらに哀れさを強調している。
ぬいぐるみって、もっとかわいいものなのにね。
「…………」
かわいくない…………か。
────『ぐあぁぁッ……おまえという女は〜ッ……ほんとに同い年かよ〜!?
かわいくねぇ〜なあ』
「私もかわいくないんだってさ。あなたと私、似てるかもね?」
また、思い出してきちゃった。
「全部、あいつが悪いのよね」
無神経に余計なこと言ってくれちゃうから……。
「あなたもそう思うでしょ?」
私もなんで、気にしてんだろう……。
「……かわいくないんだって」
「…………よし…と」
この日誌を職員室に届けて今日は帰る。
午後から降りはじめた雨のせいで部活は中止だから。
日直に部活がかち合うと結構慌しい。
だから、今日も朝練前にやること、全部ひとりで済ませた。
もうひとり日直はいるけど、私が朝練で早すぎるから仕方ない。
日直の日でも、放課後はいつもは部活。だから、雨の日、朝夕の仕事はなるべくひとりで
やるようにしている。
私はこのクラスの委員長だし。
それに、部活で迷惑をかけるのも嫌だ。
あれこれ指示してうるさがられるより、ひとりでやった方が早くていい。
規則を守らない人が大嫌いなのに。
規則を効率良く守るために、規則外の方法を取っている……私。
みんながもう少し普通に規則を守ってくれれば、こんな事をしなくても済むのに……。
今日はもう帰ろう。日誌、届けないと……。
「…………あっ」
そうだ…………あのぬいぐるみ。
今朝、校門前で拾ったの忘れてた。
捨てようと思って拾ったけど、そのまま朝練に出て忘れてた。
薄汚れた、お世辞にもかわいいとはいえないぬいぐるみ。
何の生き物かさえわからない。
馬のようでもあり、鳥のようでもあり……。
「あなたって……いったい何なの?」
この辺に住んでる子が忘れていったのかもね。それとも…………。
「捨てられちゃったのかな? かわいそうにね」
……見れば見るほど、変な生き物。
顔もいびつで、それがさらに哀れさを強調している。
ぬいぐるみって、もっとかわいいものなのにね。
「…………」
かわいくない…………か。
────『ぐあぁぁッ……おまえという女は〜ッ……ほんとに同い年かよ〜!?
かわいくねぇ〜なあ』
「私もかわいくないんだってさ。あなたと私、似てるかもね?」
また、思い出してきちゃった。
「全部、あいつが悪いのよね」
無神経に余計なこと言ってくれちゃうから……。
「あなたもそう思うでしょ?」
私もなんで、気にしてんだろう……。
「……かわいくないんだって」